先に結論です。Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の登録はGoogleに登録料を払う必要がなく、開業前からでも進められます。ただし無料なのはGoogle側のプラットフォーム利用料までです。そして「登録しただけ」の状態ではローカル検索にはほぼ勝てません。順位は登録の副産物として降ってくるものではなく、狙って獲りにいくものだからです。この記事では登録まわりのGoogle側の仕様と詰まりどころに加えて、申請後に効いてくる判断と、逆にやってはいけないことまでをセットで解説します。
登録前に決めておくべきこと
途中で作業が止まる原因の大半は、入力欄の前で「どちらにするか」を決めていないことです。次の項目は、登録を始める前に社内で決めておく必要があります。
- 登録に使うGoogleアカウントの名義——スタッフ個人のアカウントで登録すると、その人が辞めた瞬間に権限ごと持っていかれます。実際に起きているトラブルです。
- 正式な店名の表記——看板・請求書と同じ表記に統一します。キャッチコピーを混ぜるのはガイドライン違反です(後述)。
- 住所・電話番号の「正とする表記」——ホームページや予約サイトと表記がずれていると、機械から見て別の店の情報になり得ます。どれを正とするかを先に決めてください。
- 営業時間・定休日と、祝日の扱い——後から個別に直すより、最初に方針を決めておくほうが崩れません。
- 使える写真の中身——枚数より、何が写っているかで意味が変わります。どの種類をどの順で見せるかは商圏の競合状況によって変わるため、一律の正解はありません。
登録で詰まるのはどこか
入力自体は画面の案内に沿って進みます。相談として持ち込まれるのは、その途中で発生する次のような詰まりです。
- すでにプロフィールが存在している——開業済みの店は、ユーザー投稿などによって自動生成されたプロフィールが存在することが珍しくありません。この場合は新規作成ではなく、既存プロフィールのオーナー権限を取得する流れになります。気づかず新規登録すると二重登録になり、あとから統合の申請が必要になります。
- カテゴリの選択——メインカテゴリは順位への影響が大きい項目です。後から変更はできますが、変更のたびに評価の出方が動くため、軽い気持ちで入れ替える項目ではありません。どのカテゴリを主に据えるかは、狙う検索語と競合の並びから逆算して決まるもので、業種名から自動的に決まるわけではありません。
- 店舗型か出張型かの選択——来店がないビジネスは、住所を非公開にしてサービス提供地域を設定する形になります。この選択は後の見え方を大きく変えます。
- オーナー確認の待ち——Google側の審査を挟むため、ここだけは自分のペースで進められません。
特にカテゴリは、登録時の何気ない選択がそのまま数か月分の結果を左右します。自店がどのカテゴリで戦うべきかは、商圏で誰がどのカテゴリを押さえているかを見ないと決められません。まずは無料のAI診断で、いまの見え方を確認するところからになります。
オーナー確認の方法と注意点
オーナー確認の方法は全店共通ではなく、業種や状況に応じてGoogle側が提示するものから選ぶ形です。電話やメールで済む場合もあれば、店舗の様子を動画で撮影して送る方式、郵送ハガキでコードを受け取る方式が指定される場合もあります。動画方式は「外観の看板→店内→バックヤードの管理備品」のように実在を示せる映像を求められるので、店舗で撮影できる時間帯に落ち着いて行ってください。
登録直後は「Googleの代理店」を名乗る営業電話が増える傾向があります。確認コードを電話で聞き出そうとする相手には教えないでください。コードを渡すと、プロフィールの管理権限を第三者に取られる恐れがあります。
運用を外に出す場合も、選ぶ基準はシンプルです。①プロフィールのオーナー権限は店舗側のアカウントで持てるか(代理店は管理者として招待される形か)、②狙う検索キーワードと目標順位を最初に文書で決めるか、③毎月「何をやって、何が効かなかったから何に入れ替えたか」が報告されるか、④同一エリアの同業種と同時に契約していないか。この4つを聞けば、運用の中身があるかどうかはだいたい分かります。なお「必ず1位を保証します」と言い切る相手は避けてください——順位はGoogleが決めるものなので、誰にも保証はできません。
①オーナー権限は店舗様のアカウントで保有していただき、当社は管理者として参加します。解約後も権限は店舗様に残ります。②初月に狙う検索キーワードと目標順位を決めて共有します。③毎月、実施した施策と数値、効かなかった打ち手をどれに入れ替えるかまで報告します。④1エリア1業種限定で、貴店の競合とは契約しません。⑤順位を保証はしません。ただし「保証できない」ことと「狙わない」ことはまったく別です。狙うキーワードを決め、カテゴリ・属性・説明文・写真を整える順番を組み、口コミへの返信(多言語含む)を回し、月次で打ち手を入れ替える——上位表示は、その設計と運用で獲りにいきます。
※当社FACTORにご相談いただくケースでも「登録は済んでいるが権限が前の業者のまま」という状態の整理から始めることがよくあります。権限の所在は、後から動かそうとすると相手の対応待ちになる項目です。最初に決めておいてください。
登録が済んだ状態は、まだスタートラインの手前
オーナー確認まで終わると、プロフィールは公開されます。ただしこの時点では、地図上に「存在している」だけの状態です。埋める欄はまだ残っています。
- ビジネスの説明文——何の店か、誰向けか、強みは何かを文章で書く欄です。キーワードの羅列は逆効果になります。
- 営業時間の詳細——祝日・年末年始などの特別営業時間も設定できます。
- 写真——ユーザーは写真で「入りやすさ」を判断します。
- サービス・商品・属性——メニューや価格帯、支払い方法、設備対応など、カテゴリに応じて入力できる項目が変わります。
ここで結果が分かれるのは、埋めたかどうかではありません。どの欄に何を書き、どれを前に出すかです。説明文に何を書くかは狙う検索語で変わり、写真は何を何番目に見せるかで印象が変わり、属性はどれを立てるかで拾われる検索が変わります。しかも入力できる項目はカテゴリごとに違うため、他店の正解がそのまま自店に当てはまりません。
そして一度埋めれば終わりでもありません。メニューが変われば説明文と商品情報を直し、季節が変われば写真を入れ替え、Googleが新しい属性を追加すれば対応する。「登録しただけ」の状態でローカル検索に勝てないのは、ここを回している競合がいるからです。順位は登録の副産物ではなく、この積み重ねで狙って獲りにいくものです。
登録後にやってはいけないこと
一番多い違反が店名へのキーワード追加です。「○○整体院|駅前3分・肩こり腰痛」のように、正式名称以外の宣伝文言を店名欄に入れるのはGoogleのガイドライン違反で、修正指示や、悪質な場合は停止の対象になります。看板と同じ正式名称だけを入れてください。ほかに、実態と異なる住所での登録(バーチャルオフィスなど)、同一店舗の複数登録も避けるべき行為です。登録は正攻法が結局いちばん強い、が現場の実感です。
よくある質問
登録に費用はかかりますか?
自宅で開業していて住所を公開したくない場合は?
オーナー確認のハガキが届かないときは?
まとめ
Googleビジネスプロフィールの登録は、決めるべきことを先に決めておけば手が止まりません。既存プロフィールの有無を確かめて二重登録を避け、オーナー確認を済ませ、説明文・写真・属性まで埋めてようやく土俵に上がります。店名へのキーワード追加のような近道は、リスクのほうが大きいのでやらない。ここまでは、事実として書けることです。
難所は登録そのものより後にあります。どの検索語で何位を狙うかを決め、カテゴリ・属性・説明文・写真を整える順番を組み、口コミ返信を回し、月次で効かなかった打ち手を入れ替える——営業しながら片手間で回し続けるのが難しいのは、この部分です。そして自店がどこから手を付けるべきかは、いまの掲載状態と競合の並びを見ないと決められません。登録が済んだら、次は写真と口コミの運用フェーズです。関連記事も参考にしてください。
NEXT ACTION
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