店舗DX・AI活用

Business Notebooksとは?
店舗での使い方【2026年7月】

公開日: 2026.07.28執筆: FACTOR編集部

結論から言うと、Business Notebooksは「GeminiがGoogleビジネスプロフィール(GBP)の実データを見たうえで答えてくれる」ようになる新機能です。2026年6月10日にGoogleが発表し、同月から順次展開が始まりました。7月にはスマホのGeminiアプリにも連携設定が追加され、管理画面を開かずに口コミの傾向やパフォーマンスをAIに聞ける環境が整いつつあります。この記事では、何ができて何に注意すべきかを、設定手順とあわせて解説します。

Business Notebooksとは何か

Business Notebooksは、GeminiとGoogleビジネスプロフィールの連携によって使えるようになる、自店のビジネス情報を整理・活用するためのワークスペースです。GBPのオーナー権限を持つGoogleアカウントで連携をオンにすると、Geminiが自店のプロフィール情報・口コミ・ユーザーからの質問・パフォーマンスデータにアクセスできるようになります。

これまでもAIに「口コミ返信の文面を考えて」と頼むことはできました。違いは、一般論ではなく自店の実データを踏まえて答える点です。実際に付いた口コミの内容、閲覧数や検索語句の傾向をGeminiが直接参照するため、口コミ本文を手で貼り付ける必要がありません。Googleの発表では、整理だけでなくアクションや機会の提案も行うとされており、店側から聞かなくても改善の示唆が出てくる方向に育っていくとみられます。

店舗ができることは大きく3つ

① 口コミ返信の下書きを作らせる

連携後は「昨日付いた口コミに返信の下書きを作って」といった頼み方ができます。口コミの実文を読んだうえで下書きが出てくるため、的外れな定型文になりにくいのが利点です。とはいえ後述の通り、そのまま投稿するのは推奨しません。

※当社FACTORは、口コミ返信をAIの下書きと人の最終確認に分けたうえで、返信の型づくりと多言語での返信、月次での見直しまでを設計から運用ごと引き受けています。下書きが出てくること自体は誰でも再現できますが、どの口コミに何日以内で、どのトーンで返すかを決め、それを毎週切らさずに回し続ける部分が現場では最初に止まります。

② 口コミ・質問を要約して傾向をつかむ

1件ずつ読むのではなく、「最近の口コミで多い不満は?」「よく聞かれる質問は?」と傾向を要約させる使い方です。件数が多い店ほど効果があります。接客・待ち時間・価格など、どこに言及が集中しているかが見えると、改善の優先順位を考える材料になります。ただし要約が出てくることと、そこから何を先に直すかを決めることは別です。同じ「待ち時間への不満が多い」でも、競合も同じ状態なのか、自店だけが突出しているのかで打ち手の重みが変わります。

③ 管理画面を開かずにパフォーマンスを聞く

閲覧数や検索での見つかり方といった指標を、管理画面を開かずGeminiへの質問で確認できます。「先月と比べてどう?」のような聞き方ができるので、数字が苦手な人ほど恩恵が大きい部分です。

連携の設定方法(PC・スマホ)

操作そのものは迷う箇所が少ない一方で、どのアカウントで連携するかの判断を誤ると、後から権限ごと詰まります。GBPのオーナー権限があるGoogleアカウントでGeminiにログインし、設定内のアプリ連携(コネクテッドアプリ)から「Google ビジネス プロフィール」をオンにします。Web版は6月下旬から、Android/iOSのGeminiアプリでも7月中旬までに連携設定が順次追加されています。

設定項目が見当たらない場合は、段階的な展開がまだ自分のアカウントに届いていないケースとみられます。数日〜数週間待つと表示されることが多いため、慌てて別アカウントを作るような対応は不要です。なお、権限のないアカウントで連携しても自店のデータは参照できません。どのアカウントがオーナー権限を持っているか、この機会に確認しておくと後が楽です。

そして、この「どの名義で連携するか」は、後から軽く直せる種類の設定ではありません。権限の持ち主を取り違えたまま運用を積み上げると、そのアカウントに触れなくなった時点で、口コミも投稿も設定もまとめて手が届かなくなります。相談として持ち込まれるのは、制作会社名義、退職したスタッフの個人アカウント、開業時に作って誰も覚えていないアドレス——この3つがほとんどです。厄介なのは、日々の運用が回っているあいだは何の不都合も起きないことで、問題が表面化するのは決まって、その相手と連絡が取れなくなった後です。

ここは見るべき場所を知らないと、そもそも異常だと気づけない領域です。管理画面はいつも通り開けているのに、権限の構造だけが危うい——という状態は、画面のどこにも警告として出てきません。当社では、ツールや新機能の連携より先に、権限の所在と名義を店舗側に寄せる整理から着手しています。連携を有効にするかどうかより、この順番のほうが後々の被害額を左右するためです。

今すぐ使う価値がある店・急がなくていい店

効果が大きいのは、口コミが継続的に付いている店、返信が溜まりがちな店、複数店舗を見ている運営者です。データが多いほど要約・分析の価値が出るためです。逆に、そもそも口コミがほとんど入っていない店は、連携しても分析する材料がありません。その段階では、口コミが自然に入る導線づくりのほうが先に効きます。

問題は、この線引きが件数だけでは決まらないことです。同じ件数でも、競合が自店の何倍も積み上げている商圏と、業界全体で口コミが少ない商圏とでは、置かれている状況がまったく違います。前者なら導線づくりが急務ですし、後者なら少ない件数でも十分に差別化が効いている可能性がある。この順番の設計こそ、同じツールを入れても差がつく部分です。自店がどちらの状況にあるかは、競合と並べて見ないと判断できません。まずは無料のAI診断で、いまどう見えているかを確認するところからになります。

注意点は3つ(名前の紛らわしさ含む)

注意

「Gemini Notebook」と「Business Notebooks」は別物です。2026年7月16日に資料分析ツールのNotebookLMが「Gemini Notebook」へ改称されたため、名前が非常に紛らわしくなっています。解説記事を探すときは混同に注意してください。

2つ目は、AIの下書きを無確認で投稿しないこと。実データを参照するとはいえ、事実と異なる言い回しや、返金・補償を約束するかのような表現が混ざる可能性はゼロではありません。特にクレーム系の口コミへの返信は、法的な言質になり得るため必ず人が確認すべきです。

3つ目は、アクセス権の管理です。連携はアカウント単位のため、スタッフの個人アカウントで連携すると退職時に困ります。店の管理用アカウントで連携し、権限の棚卸しをセットで行ってください。

よくある質問

Business Notebooksは無料で使えますか?
Googleビジネスプロフィール自体が無料で、Gemini側の連携設定も無料アカウントから行えるとされています。ただし無料なのはGoogle側のプラットフォーム利用料までで、出てきた下書きを採用するか直すかの判断、口コミ返信の型づくり、月次での打ち手の入れ替えは誰かが担い続ける必要があります。提供機能や対象も段階的に変わる可能性があるため、契約や運用の前提にする場合は公式ヘルプで最新情報を確認してください。
Gemini Notebook(旧NotebookLM)とBusiness Notebooksは同じものですか?
別のものです。Gemini Notebookは2026年7月にNotebookLMから改称された資料分析ツールで、手元の資料を読み込ませて使います。Business Notebooksはビジネスプロフィール連携で自店の口コミや実績データを扱う仕組みで、対象データも入口も異なります。
連携すると口コミ返信が自動で投稿されますか?
自動投稿される仕組みではなく、あくまで返信の下書きを作る位置づけです。内容の事実確認と投稿の判断は店側で行う前提で使うべきです。特に低評価への返信は、文面をそのまま使わず必ず目を通してください。

まとめ

Business Notebooksは、GeminiがGBPの実データを参照して口コミ返信の下書き・傾向の要約・指標の確認を手伝ってくれる新機能です。連携をオンにする操作自体でつまずく人は少なく、7月からはスマホでも使えるようになりました。ただし効果はデータ量と、出てきた下書きや示唆をどう使うかの判断に左右されます。ツールが下書きを出すところまでは誰の店でも同じで、差がつくのはその先——どれを採用し、どれを書き直し、どの改善から先に手を付けるかの判断のほうです。自店にとって連携が先か、口コミの導線づくりが先かは、いまの件数と競合の状態を並べて初めて決まります。まずは自店のオーナー権限アカウントを確認するところから始めてください。

NEXT ACTION

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F FACTOR編集部

MEO・LLMO・Web集客の支援実績 約50業界・100社超。AI×人の運用で「検索とAIに選ばれる」店舗づくりを支援しています。運営: FACTOR株式会社(東京都豊島区)