AI検索対策(LLMO)

AI検索でGoogle離れは進んだ?
併用データの読み方【2026年8月】

公開日: 2026.08.01執筆: FACTOR編集部

「ChatGPTが普及して、もうGoogleで検索する人はいなくなる」——そう聞いて不安になった店舗オーナーの方へ。2026年に公表されている複数の調査データを並べると、見えてくるのは置き換えではなく併用という現実です。ChatGPT利用者の大半はGoogleも使い続けており、両者は「探す」と「決める」で役割が分かれつつあります。この記事では、公表データの読み方と、そこから逆算した店舗の打ち手を整理します。

まず数字を並べる:置き換わっていない、が増えてはいる

感覚論を避けるため、2026年に報じられている数字を先に並べます。いずれも報道・調査会社の公表値であり、業種や調査対象によってぶれる点は差し引いて読んでください。

データ内容示唆
ChatGPT利用者の併用率およそ95%がGoogleも使っていると報じられている乗り換えではなく上乗せ
検索エンジンの利用頻度「ほぼ毎日使う」が65.4%(405名調査)日常の情報収集は依然として検索
AI検索利用者の実感72%が「意思決定が速くなった」と回答(同調査)比較・判断の局面でAIが効く
AI側の規模ChatGPTは世界4位規模の訪問数、AI Overviewも月間利用者数が非常に大きいとされる接点としては無視できない

つまり「Googleが使われなくなった」ではなく、「Googleに加えてAIも使われるようになった」というのが、現時点のデータの素直な読み方です。一方で、AI経由の接触が増えているのも事実で、放置していい話でもありません。

「Google離れ」が誤解されやすい2つの理由

理由1:一部の検索だけが強く移動している

移動が起きているのは全検索ではなく、特定のタイプの検索です。「〇〇 とは」「AとBの違い」「初心者向けの選び方」といった、答えを説明してほしい調べもの。この領域はAIの得意分野で、実際にクリックが減っている(=ゼロクリック化)と報じられています。

逆に、「近くの整体」「池袋 深夜 ラーメン」のような、今そこに行きたい検索は動きにくい領域です。地図・営業時間・混雑・ルートといった、リアルタイム性と位置情報が必要な情報は、Googleマップの土俵にあるからです。店舗集客の主戦場は、まだこちら側にあります。

理由2:AIの回答も、結局は同じ情報源を見ている

ChatGPTの検索機能もGoogleのAI Overviewも、Web上の情報と口コミを参照して回答を組み立てています。ということは、AIに正しく紹介されるための材料は、検索エンジンに評価される材料とかなり重なります。営業時間が古い、住所表記が揺れている、メニューがどこにも書かれていない——こうした店は、GoogleでもAIでも同じ理由で選ばれません。「AI対策」を別枠の新しい作業だと考えると、たいてい遠回りになります。

役割分担:検索は「探す」、AIは「決める」

前掲の調査で示された「意思決定が速くなった」という回答は、実務的にはかなり重要な示唆です。ユーザーの動きを分解すると、おおむねこうなります。

  1. 候補を知る段階:AIに「この条件で良さそうな店ある?」と聞く、あるいはマップで一覧を見る
  2. 絞り込む段階:口コミの傾向、写真、価格帯を見て2〜3店に絞る
  3. 最終確認の段階:店名で検索し直し、営業時間と地図を確認して来店・予約

注目したいのは3番目です。AIに勧められた人がそのまま来店するとは限らず、多くは一度店名でGoogleを引き直します。つまりAI経由の露出が増えるほど、指名検索で見える情報の整備が効いてくるという構造になっています。AI対策とMEOは、別々の施策ではなく直列につながっています。

POINT

AIに紹介される → 店名で検索し直される → そこで見えるプロフィールと口コミで決まる。この3段目で落ちていると、AI対策の投資は回収できません。

店舗の打ち手はどこで分かれるか

データから逆算すると、手を入れる対象は4つの領域に整理できます。ただし、どれを先に厚くすると効くかは業種・立地・狙う検索語句で変わり、全店に共通する並び順というものは存在しません。以下は「順番」ではなく「論点の一覧」として読んでください。並べ方を間違えると、正しい作業をしているのに数字が動かない状態になります。

指名検索で見える情報の正確さ

店名で検索したときに出る情報——営業時間、定休日、電話番号、住所、駐車場の有無、支払い方法。ここが古いだけで、候補から外れます。特に臨時休業と最終受付時間は、AI経由で来た人ほど確認します。棚卸しは継続して回す必要があり、メニュー改定・スタッフ交代・季節営業のたびに項目が増えていくため、一度整えて終わりにはできません。

放置したときの損失は「順位が下がる」という形では現れません。せっかくたどり着いた人がその場で離れるという形で出るため、アクセス数の変化としては見えにくく、気づくのが遅れます。

口コミの「量より内容」

AIは口コミの中身を読んで要約します。「良かったです」が並ぶだけの状態より、来店した理由や状況が具体的に書かれた口コミがあるほうが、条件付きの質問に拾われやすくなります。何件あれば足りるという絶対的な線はなく、商圏の競合がどれだけ書かれているかとの相対で決まります。

難しいのは件数を増やすことではありません。どういう一言を添えると内容が具体化するか、誰がどのタイミングで渡すか、反応が鈍った導線をいつ入れ替えるか。ここが結果を分けます。渡し方を変えないまま件数だけ追うと、内容の薄い口コミが積み上がり、かえって要約の材料にならなくなります。

※当社FACTORは、この「内容のある口コミを増やす導線設計」に支援でいちばん時間をかけています(支援店舗で口コミ749件を獲得した事例があります)。依頼の一言をどう決めるか、どのタイミングで誰が渡すか、入った口コミに何語でどう返すか、そして月次で反応の悪い導線をどう入れ替えるか——このあたりを設計から運用ごと引き受けています。

自社サイトに「条件」を文字で書く

AIが答えやすいのは、文字で明記されている事実です。料金の目安、対応時間、予約方法、駐車場の台数、キッズスペースの有無。画像の中だけに書いてある情報は読まれません。よくある質問のページを用意している店は多いのですが、効くかどうかは掲載した数では決まりません。

店に届く問い合わせのうち、どれが来店の判断を左右しているかを見極められるかどうかが分岐点です。判断に関わらない質問をいくら並べても、AIに拾われる質問は増えません。逆に、判断を左右する質問が書かれていないと、比較の段階で他店に流れます。どれがその質問かは、業種と客層によって入れ替わります。

AIでの見え方の定点確認

ChatGPTやGeminiに「〇〇(地域)で△△(業種)のおすすめは?」と聞いて、自店が出るか、出るならどう説明されているかを記録します。順位のように安定した数値にはなりませんが、誤情報が語られていないかの確認としては価値があります。

確認の間隔は、商圏の競合の動きと自店の更新頻度に合わせて決めるものです。固定の周期を決め打ちすると、動きの速い商圏では変化を取り逃がし、動きの遅い商圏では記録だけが増えて判断に使えなくなります。

この4つのうち自店でどこが穴になっているかは、実際のプロフィールの状態と、狙う語句で競合がどう並んでいるかを見ないと決められません。無料のAI診断で現状の見え方を確認するのが出発点になります。

やらなくていいこと・保留でいいこと

逆張り気味に書きますが、現時点で優先度が低いものもあります。

結論として、AI検索時代の店舗集客は「新しい魔法を覚える」ゲームではなく、基本情報・口コミ・自社サイトの記述という土台を、AIにも読める形で整える作業です。この土台はGoogle検索にもマップにもそのまま効くため、狙う検索語句を決めて設計すれば、AI経由の露出とマップの順位を同じ打ち手で取りにいけます。

よくある質問

AI検索が広がると、MEO対策は意味がなくなりますか?
現時点のデータでは、位置情報を伴う「近くの〇〇」のような検索は検索エンジン・マップ側に残っており、MEOの重要性は下がっていません。むしろAIに紹介された人が店名で検索し直す動きがあるため、マップ上の情報整備はAI経由の来店にも効きます。
ChatGPTに自店を載せてもらう申請窓口はありますか?
ありません。AIの回答はWeb上の情報や口コミを参照して都度生成されるため、掲載枠を購入したり申請したりする仕組みは公開されていません。「AIに掲載できる」とうたう提案を受けた場合は、その根拠を確認することをおすすめします。
AI検索での見え方は、どのくらいの頻度で確認すればいいですか?
全店共通の正解はありません。同じ質問でも回答が毎回変わるため、順位のように厳密な計測ができないからです。適切な間隔は、商圏の競合の動きと自店の情報更新の頻度によって変わります。決まった言い回しの質問をいくつか固定したうえで、自店が出るか・誤った情報が語られていないかを記録していく形が現実的です。質問文がぶれると前回と比較できなくなるため、記録の設計のほうが頻度より結果を左右します。

まとめ

2026年時点の公表データを並べる限り、AI検索はGoogleを置き換えたのではなく、併用される存在として広がっています。ChatGPT利用者の大半はGoogleも使い、日常の検索は依然として検索エンジンが担い、AIは比較・意思決定の場面で使われている——これが現在の実態です。店舗側の論点は、指名検索で見える情報の正確さ、内容のある口コミ、自社サイトへの条件の明記、そしてAIからの見え方の定点確認。どこが穴になっていて、どこから厚くすると効くかは、商圏の競合の並びと狙う語句によって変わります。目新しい対策を探す前に、自店が今どう見えているかを確かめるところからです。

NEXT ACTION

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記事で挙げた観点が自店に当てはまるかは、実際の状態を見ないと判断できません。まず現状の把握から。

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F FACTOR編集部

MEO・LLMO・Web集客の支援実績 約50業界・100社超。AI×人の運用で「検索とAIに選ばれる」店舗づくりを支援しています。運営: FACTOR株式会社(東京都豊島区)