お盆の営業時間をホームページに載せたいだけなのに、制作会社にメールして、返事を待って、反映されるまでのあいだに、変更を知らないお客様が来てしまう——。この体験に心当たりはありませんか?営業時間や料金など頻繁に変わる情報を自社で直せない状態は、費用の問題である以上に機会損失の問題です。解決策としてよく聞く「CMS」という言葉。この記事では、CMSとは何かから、種類の選び方、乗り換え時の落とし穴まで、店舗・中小企業からよく受ける質問にQ&A形式で答えます。
Q1. CMSとは何ですか?
CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)は、HTMLなどのコードを直接触らずにホームページの文章や画像を編集できる仕組みのことです。管理画面から更新する形になり、変更のたびに制作側へ依頼する必要がなくなります。
CMSが入っていないサイト(静的サイト)は、変更のたびに制作会社へ依頼するのが基本になります。「どこを・どれくらいの頻度で更新したいか」がCMS導入判断の出発点です。年に1回も更新しないならCMSは不要ですし、お知らせや料金を月に何度も変えるなら導入価値は高くなります。
Q2. CMSにはどんな種類がありますか?
店舗・中小企業が実際に検討することになるのは、WordPressに代表されるインストール型、各社のホームページ作成サービスのようなクラウド型、そして制作会社が独自に用意しているCMSです。
インストール型は世界的に利用者が多く情報も豊富で、自由度が高い一方、サーバー管理やセキュリティ更新の手間が残ります。クラウド型はサーバー管理が要らず始めやすい反面、デザインや機能の自由度はサービスの範囲内に限られます。制作会社の独自CMSはその会社のサポートを受けやすい一方、別の会社に引き継げる範囲は契約次第です(Q4で詳述)。どれが優れているかではなく、何を手元に残したいかで向き不向きが入れ替わります。
Q3. どのタイプを選べばいいですか?
判断の出発点は、何を自社で更新したいかの範囲です。お知らせだけを直したいのか、料金表やメニューまで自社で触りたいのか、ページそのものを増やしたいのかで、合うタイプは変わります。自由度の高いCMSほど何でもできますが、それは「壊せる自由」でもあり、誰にどこまで触らせるかの設計が別に要ります。
厄介なのは、この線引きが仕様書の文面だけでは判断がつかないことです。「更新できます」と書かれていても、実際に触れる範囲は管理画面を見るまで分かりません。想定していた更新が、思っていた場所からできないという食い違いは、導入後に判明すると作り直しになります。
Q4. 制作会社の独自CMSは、契約を終えたときどうなりますか?
制作会社が独自に用意しているCMSは、その会社のサポートを受けやすい一方で、契約を終えたときにサイトやデータがどこまで手元に残るかは、契約ごとに異なります。システムがどこで動いているか、データがどの形で残るかによって、別の会社に引き継げる範囲も変わります。月額の数字だけでは、この違いは見えません。
Q5. 自社更新にすれば費用は安くなりますか?
更新代行費が減るという意味では安くなります。ただし正直に書くと、「自社更新に切り替えたのに、結局誰も更新しなくなった」という失敗が一番多いのです。担当者が決まっていない、書く時間がない、何を書けばいいか分からない——理由はさまざまですが、更新されない自社更新サイトは、外注していた頃より情報が古くなります。
更新の権限を手元に持つことと、更新が続くことは別の問題です。続かないのは担当者の怠慢ではありません。担当者は本業を抱えていますし、何を書けば集客につながるかは、検索の動きと競合の出方を毎月見ないと決まらず、その材料は自社の管理画面には出てきません。しかも止まったことに気づくのは、たいてい問い合わせが減ってからで、その間に取りこぼした問い合わせと来店は戻ってきません。
※当社FACTORが更新の中身を設計するとき、見ているのはサイトの管理画面の数字だけではありません。同じ商圏で競合する店の並びと、検索する地点・時点・聞き方を変えたときの入れ替わりを並べて、どのページの何を直すかを決めています。この材料はサイトの管理画面にも店のプロフィールにも一行も残らないため、社内の更新担当だけでは組み立てようがありません。
Q6. 乗り換えで集客が落ちるのは、なぜですか?
既存サイトからCMSサイトへ移行するとき、集客が落ちる事故はよく起きます。代表的なのは、ドメインが変わって検索エンジンからの評価が事実上リセットされるケースと、ページのURLが変わったのに旧URLからの転送が抜けて、検索順位が大きく落ちるケースです。ほかにも判断の要る線はあり、どこに当たるかはサイトの規模と構成で変わります。
なかでもやっかいなのは、「どのページを残すか」に機械的な答えがないことです。流入があるページをすべて残せば構成が崩れますし、整理を優先すれば流入を失います。どのページがどの検索語句で拾われていて、それが売上のどこにつながっているかを見ないと、残す・消すの判断ができません。移行の設計で最も時間がかかるのは、実はこの棚卸しの部分です。
よくある質問
Q7. WordPressはセキュリティが心配と聞きました。大丈夫ですか?
Q8. CMS導入の費用相場はどれくらいですか?
更新は自社でやるつもりですが、何から書けばいいですか?
まとめ
「自社で更新できるホームページ」への切り替えは、CMSというツール選びの問題であると同時に、更新体制づくりの問題です。どのタイプが合うかは更新したい範囲で変わり、契約を終えたときに何が手元に残るかは契約ごとに違い、乗り換えではどのページを残すかの判断に機械的な答えがありません。
ただし、ここまで踏んでも残る問題があります。更新できる状態を作ることと、更新が続く状態を作ることは別物だという点です。ツールの選定で解けるのは前者だけで、後者は体制と、何を書けば集客につながるかの判断の問題になります。
いま自社のサイトと店舗情報が検索でどう見えていて、どのページが働いているのかは、外から見たときの出方で決まり、社内の画面からは再現できません。持っている側に出してもらうほうが早い、というのが実際のところです。無料のAI診断では、GoogleマップのURLを貼ると要点がその場で表示されます。
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