順位が動かなくなってから、何か月経ちましたか。投稿は続けている。写真も足した。口コミにも返している。それでも計測のたびに同じ数字が並ぶ。この状態を「やることはやったので、あとは待つしかない」と受け止めている店が少なくありません。ですが、数か月動かない順位には、動かないなりの理由が必ずあります。順位は待っていれば上がるものではなく、狙って動かすものです。そして厄介なことに、動かない理由は自店の管理画面の中にはほとんど書かれていません。停滞している店で実際に何が起きているのか、なぜ店の中からは見えないのかを整理します。
「やることはやった」店で起きていること
停滞している店の話を聞くと、共通しているのは「作業量は足りている」という感覚です。実際、管理画面の更新履歴を見せてもらうと、毎週なにかしら手が入っています。作業が止まっているわけではない。
それでも順位が動かないのは、作業の量と、順位を決める要素の動きが一致していないからです。Googleは、ローカル検索の順位を「関連性」「距離」「知名度(視認性)」の3つで決めると公表しています。距離は店を動かさない限り変わりません。つまり距離で負けているぶんは、関連性と知名度で取り返すしかなく、そこは設計で動かせる領域です。問題は、手を入れている場所が、この2つのどこにも効いていないケースが多いことです。
ここで大事なのは、「効いていない」ことが店側には分からない点です。管理画面は作業の履歴を見せてくれますが、その作業が関連性と知名度のどちらに、どれだけ効いたかは教えてくれません。効いた作業と効かなかった作業が、同じ「更新済み」として並びます。
作業量と順位が連動しない理由
投稿を増やす、写真を足す、口コミに返す。こうした作業は目に見えて進むので続けやすい。ところが、狙っている検索語に対して自店が候補に入るかどうかを決めているのは、日々の更新ではなく、プロフィールの土台にあたる部分の組み方です。土台が狙う検索語とずれていると、その上に何を積んでも、Googleは自店をその検索語の候補として扱いません。候補に入っていない店の順位は、動かないのではなく、そもそも競争に参加していない状態です。
では土台のどこがずれているのか。ここが店の中からは見えません。自店のプロフィールを自分で読んでも、ずれは見つかりません。ずれは「同じ検索語で上位に出ている店が、土台をどう組んでいるか」との差としてしか現れないからです。比較する相手の組み方を並べて初めて、自店のどこが違うのかが特定できます。この比較は、自店の管理画面をいくら眺めても出てきません。
土台を直そうとして、店名に検索語を足すのは避けてください。看板や登記と異なる名称をプロフィールに入れることはGoogleのガイドライン違反にあたり、修正の要請や停止の対象になります。順位を狙って動かすのと、ルールの外で動かすのは別の話です。
停滞に見えて、実は動いているという場合
順位が動いていないのではなく、動いているのに見えていない、という状態もあります。
Googleマップの順位は、検索する場所によって変わります。店の目の前で測れば上位に出て、駅の反対側で測れば圏外、ということは珍しくありません。決まった場所から測っている店は、その場所で動きがなければ「停滞」と判断します。ところが商圏の別の場所では順位が上がっていたり、逆に落ちていたりします。手元の数字が商圏全体の変化を代表しているかどうかは、その数字だけを見ても判断できません。
検索語の側にも同じことが起きます。自店の業態名だけで測っている店は多いのですが、実際に来店につながっている検索語は、業態名に地名や用途がついたものです。測っている語が来店に効いていない語なら、その順位が動かなくても売上は変わりませんし、逆に動いても変わりません。何を、どこで測るかを決めた時点で、停滞に見えるかどうかが決まっています。そして、自店の商圏でどの語とどの地点を測るべきかは、商圏の形と競合の位置で変わり、一律には決められません。
自店の数字が伸びているのに順位が変わらないとき
自店は正しい場所に手を入れている。口コミも増えている。それでも動かない場合、疑うのは競合の動きです。
順位は相対評価です。自店の知名度が上がっても、上位の店が同じ速度で口コミを集め、写真を足し、情報を更新していれば、差は縮まりません。自店の管理画面には自店の数字しか出ないので、競合が積んでいることは見えません。自店の数字が伸びているのに順位が動かないとき、多くの店は「効いていない」と判断して施策を変えます。実際には効いているが、競合も同じだけ効かせている、という状態です。
この状態で施策を変えると、効いていたものを自分で止めることになります。必要なのは、競合が積んでいる速度と場所を把握したうえで、それを上回る積み方に切り替えることです。競合がどこを手薄にしているかは商圏ごとに違い、しかも月ごとに動きます。
当社FACTORが停滞の相談を受けたとき、最初に見るのは自店の管理画面ではありません。同じ検索語で上位に並んでいる店が、この数か月でどこに手を入れたのか、口コミの増え方はどうか、写真や属性は何が変わったかを時系列で並べます。自店の数字だけでは、停滞の型が判別できないからです。この競合側の時系列は、どの店の管理画面にも出てこない情報なので、店の中で組み立てるのは難しい部分です。
打開しようとして悪化する型
停滞そのものではなく、停滞を打開しようとして起きる悪化があります。
動かない期間が長引くと、焦りから複数の変更を同時に入れたくなります。これをやると、その後に順位が動いたとき、どれが効いたのか分からなくなります。逆に動かなかったときも、どれが足を引っ張ったのか分かりません。結果として、次に何をすればいいかの根拠がなくなり、また同時に複数を変える。この繰り返しに入ると、順位が動いても再現できず、落ちても戻せなくなります。停滞からの脱出で失われやすいのは、時間ではなく、因果の追跡です。
変更をどの順番で、どの間隔で入れるかは、順位を狙って動かすうえで中核になる設計です。順番を誤ると、効いた施策を効かなかったと誤認して止めてしまうことさえあります。そしてこの順番は、いまのプロフィールの状態と競合の動きによって変わるため、店の外から見た材料がないと組めません。現状の確認から入るのが、結果的に近道になります。GoogleマップのURLを貼れば、要点はその場で表示されます。
停滞の型は、管理画面からは判別できない
ここまで見てきたとおり、「順位が動かない」という同じ症状の裏には、複数の型があります。土台のずれ、計測のずれ、競合の速度、因果の喪失。打開の手はそれぞれ違い、正反対を指すものもあります。ある型では施策を変えることが正解になり、別の型では施策を変えないことが正解になる。どれに当てはまるかを取り違えると、正しい施策を止め、効かない施策を続けることになります。
そして、どの型に当てはまるかを判別する材料は、ほぼすべて自店の外にあります。上位店の土台の組み方、商圏内の複数地点での順位、競合の時系列、変更と順位の対応関係。自店の管理画面に出てくるのは、このうち自店の作業履歴だけです。停滞している店が停滞から抜けられないのは、努力が足りないからではなく、判別に必要な材料が、そもそも手元に届いていないからです。
数か月動かない順位を放置すると、その間に競合との差は開き続けます。順位が同じ位置にあるように見えても、上位との距離は広がっていて、あとから追いつくのに必要な量は増えていきます。停滞は現状維持ではなく、静かに後退している状態です。自店がどの型に当てはまるかは、自店の数字と商圏の並びを両方見て初めて分かります。まずは現状の確認から始めてください。
よくある質問
投稿や写真を続けているのに順位が動かないのは、施策が間違っているからですか?
順位が動かない期間がどれくらい続いたら、対策を変えるべきですか?
順位の計測は自分のスマホで見れば十分ですか?
まとめ
数か月動かない順位には、動かないなりの理由があります。見え方は同じ「停滞」でも、根にある型は店ごとに違い、打開の手は正反対を指すことがあります。取り違えると、効いている施策を止め、効かない施策を続けることになります。そして順位は待って上がるものではなく、狙って動かすものです。距離で負けているぶんは関連性と知名度で取り返せますが、どの型に当てはまるかを判別する材料は、上位店の組み方・商圏内の複数地点・競合の時系列と、ほぼすべて自店の外にあります。管理画面を眺めていても答えは出ません。まずは現状を確認してください。
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