MEO・マップ集客

訪日客の集客はGoogleマップが主戦場|
インバウンド対策の始め方

公開日: 2026.08.07執筆: FACTOR編集部

日本政府観光局(JNTO)の統計では、2024年の訪日外客数は約3,687万人と過去最高を記録し、その後も増加基調が続いています。ここで考えたいのは「その何割が、あなたの店の前を素通りしているか」です。訪日客の多くは、来日前も滞在中もスマホのGoogleマップで行き先を決めます。つまり、マップ上の情報が英語圏・アジア圏のユーザーにどう見えているかが、インバウンド集客の勝負どころになります。この記事では、訪日客がマップで店を選ぶ仕組みと、同じ商圏の店の間でどこに差がついているのかを解説します。整備すべき項目そのものは公開情報から並べられますが、自店がどこから手を付けるべきかは、立地・業種・競合の並びによって変わります。

数字で見る訪日客とマップ検索

訪日客の行動には、日本人客と決定的に違う点が1つあります。日本のグルメサイトや予約サイトをほぼ使わないことです。母国で使い慣れたアプリ——多くの国ではGoogleマップ——をそのまま日本でも使います。ホットペッパーや食べログにどれだけ投資していても、訪日客にはその情報が届きません。

一方で、Googleマップは世界中で同じ仕組みで動いています。あなたの店のビジネスプロフィール(GBP)は、何もしなくても英語や中国語のユーザーの検索結果に表示されます。カテゴリ名や住所は自動で翻訳され、口コミも翻訳ボタン1つで読めます。訪日客向けの「専用の広告枠」を買わなくても、土台はすでに存在しているわけです。問題は、その土台が選ばれる状態になっているかどうかです。

訪日客がGoogleマップで店を選ぶ仕組み

訪日客の検索は、日本人の「地域名+業種」検索とは少し違う動き方をします。典型的なのは次の2パターンです。

どちらの場合も、Googleは検索者の言語設定に合わせてプロフィールを表示します。ここで効いてくるのが、ローカル検索の順位を決める3要素(関連性・距離・知名度)です。訪日客の検索は現在地起点が多いため、観光地やホテル密集地に近い店ほど表示機会そのものは多くなります。ただし距離は動かせないぶん、関連性と知名度で差がつきます。そしてそこは設計で動かせる部分です。どの言語のどの検索語で拾いにいくかを決め、カテゴリ・属性・説明文・写真をその狙いに合わせて組み直し、口コミの言語構成を意図的に育てる。観光ルートから外れた店ほど、この設計の差がそのまま順位の差になって表れます。

ポイント

訪日客の口コミは母国語で書かれ、その言語のユーザーへの表示に影響するとみられます。英語の口コミが多い店は英語圏の検索で、中国語の口コミが多い店は中華圏の検索で選ばれやすくなる——という循環が生まれます。

訪日客がプロフィールで見ている情報

実際の運用で訪日客の反応を見ていると、彼らがプロフィール上で確認しているのは、おおむね次の5種類の情報に収まります。

ただし、この5つが常に同じ重みで見られているわけではありません。どれが決め手になるかは、業種と、訪日客がどの場面でそのプロフィールに辿り着いたかで入れ替わります。来日前にSNSで見つけて保存された店と、滞在中に現在地検索で並んだ店とでは、読まれる情報がまるで違う。ここを取り違えると、時間をかけて整えた項目が誰にも見られないまま終わり、逆に見られている項目が空欄のまま残ります。整備の負荷は同じでも、成果の出方だけが変わってしまう部分です。

注目すべきは、この5つのうち翻訳作業が必要なものがほとんどないことです。写真・営業時間・属性・価格は言語に依存しません。「英語ができないからインバウンドは無理」という思い込みで、言語と関係ない整備まで止まっている店が本当に多いのです。

多言語対応|翻訳より先に効いてくるもの

言語に依存しない情報で差がつく

写真の種類、営業時間と定休日の正確さ、支払い方法や設備の属性。このあたりは日本語のまま扱える領域なのに、訪日客の判断には直接効きます。翻訳から入ろうとして手が止まっている店ほど、ここが空欄で放置されています。ただし、どの種類の写真を厚くするか、どの属性を埋めることが効くかは商圏によって変わります。競合が同じ属性をすべて埋めているエリアでは、そこは差になりません。逆に誰も埋めていない項目が1つあれば、それだけで比較画面での見え方が変わる。この「どこが空いているか」の見極めが、作業量ではなく成果を決めます。

メニューの英語表記は「どこまで書くか」で割れる

フルの多言語サイトを作らなくても、写真付きメニューに英語を添えれば注文のハードルは下がります。論点はその先です。品名だけを訳すのか、主要な食材(豚・牛・魚介・アルコールの有無)まで踏み込むのか、辛さやボリュームまで書くのか。宗教やアレルギーの理由で食材を確かめたい訪日客がいる一方で、情報を詰め込んだメニューは日本人客にとって読みにくくなります。どこで線を引くかは客層の構成次第で、一律の正解がありません。訪日客比率が読めないまま英語表記を増やすと、既存客の注文体験だけが悪くなる、ということも起こります。

外国語の口コミ返信|踏み込みの深さを言語ごとに決められるか

外国語の口コミにも返信は有効です。翻訳ツールを使えば、文面自体は作れます。実際の運用で止まるのは、そこではありません。日本語では自然な丁寧さが、機械翻訳を通すと英語では素っ気なく、別の言語では逆に大げさに届くことがあります。同じ一言の謝意でも、どこまで非を認めた表明として読まれるかは言語圏によって違い、踏み込みすぎた一文が後から責任の所在を巡る話に発展することもある。そして線引きを間違えても、店側には何も返ってきません。読んだ人が黙って候補から外すだけなので、返信が裏目に出ているという事実は数字にも次の口コミにも現れないからです。しかも返信は公開されたまま残り続けるため、違和感に気づいた時点では、すでに何十人もの検討者がそれを読んだあとです。判断材料は自店に届いた口コミだけでは足りず、同じ商圏で訪日客に選ばれている店がどの言語にどう返しているかと突き合わせて初めて、踏み込みの目安が立ちます。※当社FACTORは、多言語での口コミ返信を、返信方針の設計から月次での打ち手の入れ替えまで含めて運用ごと引き受けています。訪日客の口コミが増えてきて手が回らない、という段階でご相談いただくことが多い領域です。

自店の場合、どの言語のどの検索語から拾いにいくべきか、そのために何を先に整えるべきかは、実際のプロフィールの状態と競合の並びを見ないと決められません。無料のAI診断では、店舗名から現状の見え方を確認できます。

業種・立地別の考え方

インバウンド対応の優先度は、店の立地と業種によってかなり差があります。

状況優先度理由と打ち手
観光地・ターミナル駅周辺の飲食店高い現在地検索の表示機会が多い。写真とメニューの見せ方で差が出やすい
宿泊施設・体験サービス高い来日前リサーチの対象。口コミの量と多言語返信が効く
住宅街の美容室・サロン在住外国人がターゲット。英語対応可否を属性と説明文に明記
商圏が地元中心の業種(学習塾など)低い無理にやらない。国内向けMEOに集中するのが合理的

すべての店がインバウンド対応をすべき、とは言いません。ただ、訪日客が実際に店の前を歩いているエリアでマップ上の情報が日本語のままの「見えない店」になっているなら、それは広告枠を買わずとも拾えるはずの需要を、設計していないというだけの理由で逃している状態です。

よくある質問

英語ができなくても訪日客の集客はできますか?
語学力の有無は、決定的な障害にはなりません。訪日客が判断材料にする写真・営業時間・属性情報・価格は言語に依存しないためです。口コミへの返信や問い合わせ対応も、文面自体は翻訳ツールで作れます。ただし、翻訳できることと選ばれることは別の問題です。どの項目を厚くするか、返信でどこまで踏み込むかによって結果は変わり、そこは翻訳ツールが肩代わりしてくれない領域として残ります。同じ商圏の競合が何をどう並べているかと突き合わせて決める判断が要ります。
Googleビジネスプロフィールに外国語の説明文を登録できますか?
ビジネス名や説明文は基本的に登録した言語のまま表示され、カテゴリや住所などはGoogle側で自動翻訳されます。店側でコントロールしやすいのは写真・属性・メニュー情報です。外国語で伝えたい内容は、写真内の文字やメニューの英語表記で補うのが現実的です。
外国語の口コミには何語で返信すべきですか?
口コミと同じ言語で返信するのが理想です。日本語のみの返信でも翻訳ボタンで読んでもらえるため、返信しない状態よりはるかに良くなります。難しいのはその先で、機械翻訳をそのまま貼ると、丁寧なつもりの表現が相手の言語では素っ気なく届くことがあります。どこまで踏み込んだ言い回しにするかは言語圏ごとに感覚が違い、経験差が出る部分です。

まとめ

訪日客の集客は、特別な広告や高額な多言語サイトから始まるものではありません。彼らが実際に使っているGoogleマップ上で、写真・営業時間・属性・メニューという言語に依存しない情報を整えることが第一歩です。2024年に約3,687万人と過去最高を更新した訪日客の流れは、観光地だけでなく街中の店にも及んでいます。まずは自店のプロフィールを英語設定のスマホで開いて、外国人観光客の目にどう映っているかを確かめてみてください。ただし、そこで見えるのは自店の状態だけです。空欄がいくつあるかを数えても、そのうちどれを埋めることが表示と来店に効くのかまでは分かりません。競合が全店すでに埋めている項目は、追いついても差になりません。逆に、誰も埋めていない一項目が比較画面での決め手になることもあります。厄介なのは、ここを取り違えても失敗として現れないことです。効かない項目を丁寧に整えた月も、手を動かした実感だけはきちんと残るからです。数ヶ月後に「やったのに変わらない」となったとき、順序が悪かったのか、そもそも訪日客の通らない立地なのか、手を入れた項目が的外れだったのかを切り分ける材料は、もう手元に残っていません。どの言語のどの検索から拾いにいくかを先に決め、そこから逆算して整える項目を選ぶ。当社が設計と呼んでいるのは、この逆算の部分です。

NEXT ACTION

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記事で挙げた観点が自店に当てはまるかは、実際の状態を見ないと判断できません。まず現状の把握から。

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F FACTOR編集部

MEO・LLMO・Web集客の支援実績 約50業界・100社超。AI×人の運用で「検索とAIに選ばれる」店舗づくりを支援しています。運営: FACTOR株式会社(東京都豊島区)